猫の骨盤骨折

骨盤の骨は部位によって腸骨、坐骨、恥骨の3箇所に分かれています。
骨盤には股関節と仙腸関節という2つの関節があります。
股関節は後ろ足と骨盤の関節で、仙腸関節は背骨と骨盤の関節です。
交通事故や、高い所からの落下のような強い外傷により、
骨盤の骨折や脱臼が起こる事があります。
外に出る猫ちゃんでは、飼い主様が見ていない所で事故に遭い、帰ってきたら動きたがらない、
普段と様子が違うという症状で来院されることがあります。
骨盤骨折・脱臼の原因は強い外傷ですので、併発疾患に注意が必要です。
骨盤はお腹の臓器を保護していますので、
骨折に伴いお腹の臓器が損傷している可能性があります。
膀胱破裂や尿道裂傷、神経損傷など、骨盤の中に収まっている臓器の損傷以外にも、
肺や肝臓など全身的な損傷を受けている可能性を考えなければいけません。
診断には、血液検査、超音波検査、レントゲン検査、整形外科学的検査が必要です。
骨盤骨折の治療目的は痛みを取り除き、将来的な生活の質の向上させることです。
骨盤の構造は長方形の箱状で、箱の中にお腹の臓器をしまっていますので、
骨折により箱が壊れた場合、箱の形を元に戻すことが必要です。
骨折により骨盤が変形して癒合すると、臓器が圧迫されて結腸が閉塞し、
将来的に巨大結腸症という病気になってしまいます。
また骨折による変形癒合では、骨盤周囲の各関節に負担がかかり、骨関節症を引き起こします。
そのため、レントゲン検査により診断し、治療計画を考慮します。
治療方法はインプラントを使用した手術による外科治療です。
(骨折部に変位が無い場合などは、痛み止めと運動制限による治療を行う場合もあります)
 鈴木のら pre vd (1)鈴木のら post vd (1)
 手術前                     手術後
鈴木のら pre L (1)鈴木のら post L (1)
手術前                          手術後
今回手術した猫ちゃんは、外出時に受傷し、後ろ足の異常の症状で来院されました。
全身状態に大きな異常は見られず、正常に排尿できている状態でした。
レントゲン検査から仙腸関節脱臼、恥骨骨折、坐骨骨折が認められました。
恥骨骨折、坐骨骨折は骨折部位によっては治療が必要ですが、通常手術は行ないません。
仙腸関節脱臼は大きく変位していたため、インプラント(スクリュー、ロングボルト)を使用して
脱臼治療の手術を行ないました。
手術前には硬膜外麻酔(脊髄周囲に局所麻酔をおこなうこと)を行ない、
鎮痛処置のうえ手術を行ないました。
手術後、後肢で一過性に神経学的異常が認められましたが、すぐに回復しました。
鈴木犬猫病院
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