今回のテーマは「短頭種気道症候群の予防のための軟口蓋切除術」です。
以前ご紹介した、「外鼻孔拡張術」と同様に、短頭種気道症候群を引き起こさない為に行う手術です。
「軟口蓋」とは、人では「口蓋垂」と言われており、いわゆる「のどちんこ」です。
短頭種の場合は軟口蓋が分厚く、長いため、気道を閉鎖してしまいます。
そのため、切除することにより、気道を広げることが出来ます。
まず、正常な犬の喉の構造です。
気管の入り口に「喉頭蓋」という蓋があり、これが手前に開くと気管の入り口が見えます。
その上部にある領域が「軟口蓋」です。
これは短頭種の喉です。
軟口蓋が長く、喉頭蓋に被っています。
軟口蓋切除後です。
気管の入り口が明瞭になっています。
このように、軟口蓋切除によって、気道を広げることにより、短頭種気道症候群の予防になります。
また、呼吸がスムーズにできるようになり、熱中症の予防にもなります。
当院では超音波凝固切開装置を用いて行うため、糸を使わず、安全に行うことができます。