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2026.02.12
お知らせ
腫瘍治療に電気化学療法(ECT)とは?
電気化学療法(Electrochemotherapy : ECT)とは
悪性腫瘍の局所治療のひとつで、外科治療、放射線治療、抗癌剤治療に続く腫瘍治療の柱
になり得るものとして期待されている治療法です
外科⼿術後の再発防⽌として⽤いられたり、感受性の⾼い腫瘍に対しては単独でも⽤いる
ことが可能です

原理
予めごく少量の抗癌剤を全⾝投与もしくは腫瘍周囲に局所投与しておき、腫瘍細胞外に抗
癌剤の成分が存在する状態にしておきます

その後電気パルスを流し腫瘍細胞の細胞膜透過性を⼀時的に⾼めることで抗癌剤の取込み
が⾶躍的に向上し、腫瘍細胞死が誘発されます
⽤いる抗癌剤は主にブレオマイシンといわれる薬剤で、電気を流した後の細胞内取込みは
100〜5000倍向上すると⾔われています(状況に応じてシスプラチン:1.8〜80倍向上を
局所投与)

適応疾患
外科⼿術で不完全切除だった場合の再発防⽌については対象となる悪性腫瘍は様々で、特
に肥満細胞腫や軟部組織⾁腫、注射部位⾁腫などがよく⽤いられる例です
不完全切除が予め予想される場合には外科⼿術中に施術することも可能です
⾁眼的病変に対して⽤いられる主な腫瘍は下記にまとめました

⽝:肥満細胞腫、扁平上⽪癌、肛⾨嚢アポクリン腺癌、軟部組織腫瘍、悪性黒⾊腫、
棘細胞性エナメル上⽪腫
猫:肥満細胞腫、⽪膚扁平上⽪癌

副作⽤
腫瘍細胞で置換されていた部分が壊死して脱落するため⼀時的な⽪膚の糜爛‧潰瘍や疼痛
などが副作⽤として挙げられます
程度は⼤⼩あれど副作⽤は基本的に出るものと予測したうえで施術後の管理を⾏っていき
ます
具体的な管理内容としては鎮痛薬や抗⽣剤の投与、包帯、消毒などです

メリットとデメリット
・メリット:⿇酔時間が短い(通常20分程度)
侵襲性の⾼い治療を⾏わずに局所制御できる
不完全切除部位からの再発防⽌効果が得られる
⽇帰りで施術を⾏うことができる(術前検査が事前に必要)
全⾝性の副作⽤が⽣じにくい

・デメリット:全⾝⿇酔が必要
電気をあてた部位に副作⽤が⽣じる
電極が届く範囲の腫瘍に限定される

治療の流れ
術前検査
→施術予約
→当⽇に絶⾷でご来院
→全⾝⿇酔
→ブレオマイシン投与(必要に応じてシスプラチン局所投与)
→電気を流す
→⿇酔から覚醒させる
→薬を処⽅してご家族にお返し
→1週間後に副作⽤チェック
※腫瘍の状態によっては副作⽤から回復した後再度電気化学療法を⾏う場合があります

まとめ
まだ聞き馴染みのない治療法ではありますが、腫瘍治療の選択肢のひとつとして今後適応
疾患がさらに増えていくことが予想される治療法です。⻑時間の⿇酔をかけられない、⼤
きな⼿術は望まないけど腫瘍の進⾏を少しでも制御したい、放射線治療まではできないけ
ど再発防⽌したいなどのニーズに応えられることが魅⼒です。
お家のわんちゃんねこちゃんに電気学療法が適応になるかぜひ獣医師にご相談ください