動物の病気を学ぼうシリーズ:前十字靭帯断裂

こんなことありませんか?

走ったあとに急に足を挙上する
ジャンプした際に「キャンッ」と鳴いてから動こうとしない
立った姿勢の時に後ろ足でつま先だけしか着けていない
座った際に後ろ足のどちらかを投げ出すように座る
歩いてるときや走ってるときに跛行している
膝関節を伸ばした時に痛がる

こういう症状がある子は前十字靭帯断裂という病気かもしれません。発生率の高い子としては、ロットワイラー、ニューファンドランド、ブルドック、チャウ・チャウ、ラブラドール・レトリーバーが挙げられますが、近年では室内での小型のわんちゃんにも発生しやすくなってきています。大型の子は4歳以下で、小型の子は7~10歳でよく発生します。

 

どんな病気?

大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)とを繋いでいる前十時靭帯という靭帯が急激なストレスや内分泌異常により断裂してしまい、そこで炎症が生じて痛くて足を着けれないという症状が起きます。しかも厄介なことにいったん断裂してしまうと、1年以内に20%の確率で反対足の前十時靭帯も断裂すると言われています。肥満気味の子の方が明らかに発生率が高く、肝臓や腎臓などその他は元気でも痛くて動けなくなるのはとてもかわいそうなので、体重管理も立派な予防治療となります。その他には足裏の毛刈り、爪切りを行い、フローリングを避けることなども重要となります。

 

病院でできること

獣医師が膝関節を伸ばしたり、筋肉量を確かめたり、他の部分には問題はないかをしっかり検査を行った上で、レントゲン検査を使い診断していきます。手術の際には小型の子には切れてしまった前十時靭帯の代わりになるような人工の強い糸を使うことで、膝関節の安定化を試みます。大型の子には特殊なプレートを使うことで、より強固な安定化を図ります。手術後は患部を冷やしたり、痛み止めを使うことで少しでも早く元のように元気に走り回れるようにしていきます。当院ではそのための庭もあり、本人もストレスなくリハビリを行えるように工夫しています。当院では陽圧滅菌手術室を完備しており、手術中の感染にも細心の注意を払いながら行いますのでご安心ください。

鈴木犬猫病院
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