前十字靭帯断裂

当院では前十字靭帯断裂の治療を行うことが多く、犬種猫種を問わず沢山の動物を治療しています。

前十字靭帯断裂の治療法にはいくつかの方法がありますが、当院ではTPLO法という手術方法を選択しています。

TPLO法とはTibial Plateau Leveling Osteotomyの略で、日本語では脛骨高平部水平化骨切り術といいます。

TPLO法は1993年にはじめて報告され、以降様々な改変を経てきました。

動物の脛骨の形は人と違い、横から見た膝関節面が後方斜めに傾いています。

この傾きをTPA(Tobial Plateau Angle)といいます。

一般的な犬のTPAは22°~30°と報告されていますが、個体差が大きくて35°を超える犬のTPAをExcessive TPA(過剰なTPA)といわれています。

E-TPAの犬に治療をおこなう場合、TPLO法では合併症の危険があるためTPLO単独での治療は難しいため、CCWO法と併用する方法が報告されています。

CCWOとはCranial Closing Wedge Osteotomyの略で日本語では脛骨前方閉鎖的楔型骨切り術といいます。

X線画像はE-TPAの犬の膝関節です。TPAは40°でした。

TPLO法をおこなうと矯正角度が大きくなりすぎるため、CCWOと併用して手術をおこなました。

TPLO法とCCWO法を併用すると手術は複雑化しますが、合併症が起こらずに経過は良好でした。

完全に癒合し、走り回ることができるようになりました。

当院では手術治療が多く、中でも整形外科疾患の治療をたくさんおこなっています。

獣医科大学の教員による専門外来もおこなっております。

愛犬愛猫がどこか痛そう、ケンケン歩きをしているなど、お困りのことがありましたらご相談ください。