猫の骨盤骨折

猫の骨盤骨折は交通事故などの外傷によっておこります。

猫の骨折のうちおよそ25~30%が骨盤骨折であるとの報告があります。

骨盤骨折の程度も様々で、骨盤が粉砕している骨折や一か所のみの単純な骨折がありますが、骨盤の構造が複雑ですので診断、治療が困難な場合があります。

今回の猫ちゃんは交通事故により受傷し、後ろ足を引きずるとの理由で来院しました。

整形外科学的検査(触診)では骨盤領域で圧轢音(骨がこすれあう音)が触知され、レントゲン検査を行いました。

左右の仙腸関節(骨盤と背骨の関節)が脱臼し、右側の恥骨と坐骨が骨折していました。

手術によって仙腸関節脱臼を整復しました。

左右の仙腸関節を整復固定することで恥骨坐骨の位置はおおよそ正しい位置に整復されます。

恥骨や坐骨の骨折は手術による固定治療は必要ないことが多く、今回の猫ちゃんも仙腸関節脱臼の固定のみでした。

術後一カ月経過した現在、走り回っているとのことです。

骨盤骨折の猫ちゃんは手術をしないと骨盤内が狭くなってしまい、将来的にひどい便秘症になってしまします。

今回手術した猫ちゃんのように骨盤の形を正しく治療してあげることで、早く歩けるようになりますし、将来的な病気を予防することができるため手術による治療が望ましいです。

歩き方がおかしい、どこか痛そうなど、お困りのことがありましたら当院にご相談ください。