【症例報告】口からの出血?お尻からの出血?

この子は暫く前から口からなのか、お尻からかなのか出血が認められる子でした。

本人はいたって元気なんですが、体重減少と軽度な貧血が認められました。

口の中を見てみると、確かに歯周病がひどかったので、最初は口からの出血を考えました。

しかしオーナーさんによると下痢もたまにするということでしたので、少しかわいそうですが指をお尻に入れてみて、しこりがないかの確認(直腸検査)を行いました。

そうしてみると中指の先辺りに何か便とは別のしこりが触知できました。犬種もジャックラッセルテリアちゃんで、直腸ポリープの好発犬種でした(他にはミニチュアダックスフンドちゃんも多いです)ので、お尻から内視鏡を入れて、しこりからの病理検査と口に対してはスケーリングを行いました。

まだ病理検査結果待ちの段階ですが、免疫が過剰に働いて出来たポリープであれば、ステロイドなどの免疫抑制薬を使っていき、出血が落ち着いていくのかを観察していきたいと思います。

赤くポリープ状になっているところと、正常だと思われるところの境目から細胞を採取しました。

 

 

今回は内視鏡を行うために麻酔をかけて行う比較的負担のかかる検査でしたが、診断をつけるためには必要なことでした。

状況にもよりますが、最初にお金をかけてしっかりと診断したうえで正しい治療を行っていくのか

はたまたとりあえずの薬で様子を見ていくのか

獣医師的には永遠と悩むテーマではありますが、オーナーさんが積極的な検査を希望される場合はそれに答えられるように日々精進していきたいと思います。