【症例報告】唾液腺嚢腫

今回は唾液腺の交通が悪くなり、顎の下に唾液が溜まってしまった子の紹介です。

1年ほど前から顎の下の膨らみがあり、触感と存在する部位から唾液腺嚢腫だろうと話はしており、それが更に大きくなってきたとのことで来院しました。

唾液つまり涎ですが、犬には耳下腺、下顎腺、頬骨腺、舌下腺の4つの産生する部位があります。それが何かしらの影響で交通が阻害されると、本来溜まるはずのない涎が袋状に溜まってしまう病気が唾液腺嚢腫です。

オーナーさんが気づかれていたのは、左側だけでしたが、手術前に一応CT検査を行って、問題になるのは左側だけなのかを確定させてから行うこととしました。

 

結果、左側が大きすぎて右側が目立たないだけで右側にも唾液腺嚢腫ができていましたので、仰向けにした状態で両方切除することにしました。

手術は途中太い血管もあり、慎重な手技が必要でしたが、両方とも無事摘出することができ、病理検査の結果でも悪性を示唆する所見もありませんでした。あとは無事に抜糸を行えば心配はありません。

このように見た目だけでは判断が難しい場合にCT検査はすごく効力を発揮します。機械の進歩ってすごいなーとは思いつつ、何でもかんでも機会に頼らないように自分自身も進歩しないとなーと感じたところで今回の症例報告を終わりにします。