【症例報告】肛門腫瘍摘出

皮膚や肛門にできる腫瘍では、「外から見てわかるもの」と「触らないとわからないもの」があります。

皮膚腫瘍の場合は、「触らないとわからないもの」であっても、日々のスキンシップの中で発見される事が多いですが、肛門周りを日常的に触ったりということはほとんどないと思いますので、発見が遅れる事が多いです

 

今回の症例は、外から見ただけでは全くわかりませんでした。

肛門嚢(いわゆる肛門腺)を絞った時に偶然発見されました。

皮下の腫瘤を確認

 

術後

 

病理検査結果は「肛門嚢アポクリン腺癌」という悪性腫瘍でした。

この腫瘍は遠隔転移率が高く、発見が遅れてしまうと根治が困難になってしまいます。

また、腫瘍が大きければ大きい程、肛門周囲の組織を広範囲に切除することになるので、術後に排便障害が起こってしまうリスクが高まります。

幸い今回の症例では早期発見となり、遠隔転移はなく、肛門の機能障害も起こさずに完全に切除ができました。

 

早期発見出来れば根治できる悪性腫瘍も多いですので、日頃から動物の体を触る事は非常に大切です。

自分では確認出来ないような部位に関しては、たまに診察に来て頂き、身体検査をしてあげることをオススメします。

また、体の中に関しては画像検査が必要になります。

これらを組み合わせていわゆる「がん検診」になりますので、気になる方はお気軽にご相談下さい。

早期発見、早期治療が大切です!!