口腔内の悪性腫瘍によって、ご飯が食べづらくなってきたネコちゃんに対して、胃瘻チューブを設置しました。
設置方法は内視鏡を用いた方法と、開腹手術による方法があります。
今回は内視鏡を用いて設置を行いました。
内視鏡を用いた方法であれば、全身麻酔は必要になってしまいますが、動物への負担は最小限で、短時間で設置が可能です。
「胃瘻チューブ」と聞くと、あまりいい印象を持たれてない方が多いように感じます。
しかし、我々獣医療では良く使われる手段です。
設置されたワンちゃんやネコちゃんが、チューブを気にしたり、不快感を示す事はほとんどありません。
チューブを設置していても、口から食べる事は可能です。
100%チューブに依存せざるを得ない状況もありますが、自分で自由にご飯を食べてもらって、自力では摂取しきれない分をチューブで補ってあげるという使い方もできます。
チューブを設置することにより、適切な栄養管理ができるのはもちろんですが、投薬も簡単にできます。
このように、胃瘻チューブは非常に有用な手段です。
適応症例は主に口や喉の悪性腫瘍が多いですが、その他の部位の悪性腫瘍や、その他の慢性疾患の栄養管理にも有用です。
もちろん動物の状態によっては適応にならない場合もありますので、適切な判断が必要です。
ワンちゃん、ネコちゃんの栄養管理に悩んでいる方は、お気軽にご相談ください。