鍼灸治療~馬尾症候群~

今回は、鍼灸治療に関しての症例紹介です!

馬尾症候群が疑われる高齢ネコちゃんを、鍼灸により治療しました^^

 

馬尾症候群とは、

腰仙椎の狭窄や不安定症などの結果、脊髄の尾側に走行する馬尾神経が圧迫などの影響を受けて神経徴候を引き起こす病態の総称です。

※下図の赤丸が馬尾領域です

原因

腫瘍なども含め様々ありますが、加齢に伴う変性性変化が比較的多くみられます。

 

症状

腰仙椎領域の痛み、後肢のふらつき、排尿や排便の異常、尾の運動性や感覚の低下などがあげられます。

 

診断

整形学的検査、神経学的検査により障害部位を絞り込み、レントゲン、CT、MRI検査といった画像検査を行います。

 

治療

内服による疼痛管理や運動制限といった保存療法、圧迫原因の除去を目的とした外科療法があります。

 


今回の症例は、18歳のネコちゃんです。

来院時、両後肢麻痺により歩くことができず、腰仙椎領域の痛み、排尿や排便の障害がみられました。身体検査、レントゲン検査などの結果から馬尾症候群が疑われました。18歳と高齢だったため、飼い主様と相談のうえ、鍼灸治療を含めた保存療法をおこないました。

 

①治療前

後ろ足に力が入らず、歩けませんでした。

 

 

 

②鍼灸治療中

効果の高い経穴に、お灸と鍼をしました。

施術中も嫌がることはありませんでした☆

 

治療の頻度は、週に1回!

 

 

 

③治療開始1カ月

ゆっくりですが歩けるようになりました^^

(※鍼灸治療と合わせて投薬も行いました)

 

 

 

馬尾症候群は、臨床症状の程度によりますが、積極的な外科治療がすすめられています。しかし、今回の症例では、患者が高齢であり、麻酔や手術のリスクが高くなると判断し、内科的な治療計画をたてました。