【症例紹介】脊髄腫瘍(髄膜腫)

当院ではこれまでたくさんの神経外科の診断・治療をしてきました。
椎間板ヘルニアはご存知の方も多いかと思いますが、神経外科の病気は様々です。
後ろ足が動かない、腰が抜けてしまったなど、脊髄疾患に特徴的な症状がみられても
詳しい検査をしてみないと、診断はできません。
脊髄におこる腫瘍もそのひとつです。
脊髄の腫瘍は、腫瘍のできる場所で分類がされています。
脊髄はいくつかの膜でおおわれていますが、外から硬膜、くも膜、軟膜の順番でおおわれていて、そのなかに脊髄がつつまれています。

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キャバリア・キングチャールズ・スパニエル ♀ 13kg

写真は上段がわんちゃんの胸部脊髄MRI検査画像、下段が手術中の写真ですが、
黄色矢印は腫瘍で、青色矢印は脊髄です。
腫瘍の分類では硬膜内髄外腫瘍といって、画像検査で髄膜腫が疑われたわんちゃんです。
髄膜腫はひとかたまりになっているため完全切除できることが多く、ほかの臓器への転移もあまりないと
言われている腫瘍です。

写真のわんちゃんは腫瘍が硬膜内で広がり、完全切除ができない状態でしたが、
少しでも脊髄への圧迫を減らすため、確定診断をするために腫瘍を部分切除をしました。
病理検査の結果は髄膜腫でした。
手術後は飼い主様のご希望により、放射線治療や化学療法はおこなわず保存的に経過をみています。

神経外科の病気はレントゲン検査ではわからず、MRI検査のような特殊検査をしてみないとわからないことが多いです。
当院では、神経外科、整形外科、腫瘍診療に力をいれて取り組み、診療をおこなっています。
どこか痛そう?歩き方がフラフラしてる、足に力が入らない、などの症状は神経の病気の可能性がありますので
すぐに動物病院でみてもらうことをおすすめします。

院長 鈴木

鈴木犬猫病院
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