【症例紹介】椎間板ヘルニア

椎間板は脊椎(背骨)の間にあるクッション材として働くものです

椎間板が脊髄を障害する疾患を椎間板ヘルニアと言います

椎間板ヘルニアにはHansenⅠ型とHansenⅡ型の2つのタイプに分かれています

ダックスフンドやビーグルが発症するのはHansenⅠ型です

【診断】

歩様検査、神経学的検査、血液検査により整形外科疾患や自己免疫性疾患、などを除外したのち、椎間板ヘルニアのグレード分類を行い、MRI検査によって椎間板ヘルニアを診断します

【治療】

椎間板ヘルニアの治療方法は、保存療法と外科療法に分かれます

グレード1では非ステロイド性消炎鎮痛剤による内科療法

グレード2〜3では内科療法を行い症状の改善が見られない場合、MRI検査を行い外科療法

グレード4なるべく早期にMRI検査を実施し、外科療法を行う

グレード5発症後早期の場合、MRI検査を実施して外科療法を行いますが、時間が経過してしまっている場合は回復の可能性は低いため、飼い主様と治療方針をご相談します

 

ご紹介するわんちゃんは12歳のミニチュアダックスフンドです

グレード2の椎間板ヘルニアを疑う症状で来院し、非ステロイド性消炎鎮痛剤を処方したのち、症状が悪化進行しました

来院翌日には歩行ができなくなり、グレードが3に進行したためすぐにMRI検査を行いました

 

MRI検査の結果左側からの重度脊髄圧迫が認められ、すぐに外科手術となりました

写真のように椎間板物質を取り除き、術後はリハビリを行います