【症例紹介】膀胱結石摘出

わんちゃんの膀胱結石を手術治療しました

結石の種類や大きさなどにより治療方針が異なります

尿路結石は、おしっこの中に含まれるミネラルが何らかの原因によって塊となり、排泄されなくなってしまうことで起こります

膀胱でできた塊を膀胱結石といい、尿道でできた塊のことを尿道結石といいます

結石の種類はいくつかあります

1.リン酸アンモニウムマグネシウム結石(ストルバイト)

主に膀胱でできやすい

アルカリ性の尿でできやすい

2.シュウ酸カルシウム結石

腎臓、尿管、膀胱、尿道でできる

どのpHでも結石になる

3.その他(シスチン、シリカなど)

あまり多くない

おおよそ80%の結石がストルバイト結石とシュウ酸カルシウム結石です

原因は食べ物に含まれているミネラルが多く、結石化しやすいことや、飲水量が少なくなることでおしっこが濃くなり結石化してしまうことなどが考えられます

そのほかの原因としては細菌感染による膀胱炎や、遺伝的要因も挙げられます

尿路結石の症状は

・頻繁におしっこに行く

・トイレ以外のところでおしっこをしてしまう

・おしっこに血が混じっている

などです

トイレの際の異常の多くは結石が原因になっていることが考えられます

今回手術治療したわんちゃんは排尿時の出血で来院した子でした

術前のレントゲン検査で2〜3cmの大きな膀胱結石が複数みとめられました

膀胱の一部をおなかに出して術前にレントゲン検査で計測した結石の大きさで膀胱に切開を行います

膀胱内に内視鏡を入れると大きな結石以外にも細かな結石が無数にできていることがわかりました

大きな結石は鉗子という器具を使用して取り除きました

細かな結石は吸引機を使用してキレイに除去しました

術後のレントゲン検査画像です 膀胱内の結石が全てなくなりました

手術後の傷が5mmの傷が一箇所と2〜3cmの傷が一箇所です

腹腔鏡手術で膀胱結石の手術を行うと痛みも少なく、傷も小さいため手術後にもすぐにキレイなおしっこが出ます

膀胱内に内視鏡カメラを入れますので、レントゲンでは分からなかった細かな結石も見つけられますので、取り残しがありません