誤食しないでね 〜予想外なモノ飲み込みます〜

こんにちは獣医師の関根です。

『誤食しないでね』と皆さんのワンちゃんネコちゃんにお願いしても『わかりました!絶対食べません!』とは残念ながらなりません、、、

いやいや、大丈夫。普段から気をつけていますから。と思われた飼い主様、いらっしゃると思いますが予想外なモノ飲み込んでしまいます。

今回は来院前日夜から元気が無く、複数回の嘔吐と下痢を主訴とした10才のワンちゃんの症例紹介です。

診察時にお腹を触ると嫌がる様子があり、レントゲン撮影をしてみるとお腹の中に2cm程度のマシュマロの様な物体がくっきり!このようにレントゲンで真っ白に見える物体の素材は骨や金属であることが多いです。飼い主様にこのシルエットをお見せしても一体家の中の何かはわかりませんでした。

更に超音波検査を進めて行くと腸管内(十二指腸領域)に物体が詰まっている様子が見えます。

開腹手術にて腸管を切開し、異物を摘出しました。

なんと中から出てきたのは給水器の先端部分でした!

今回の症例のワンちゃんはその後、無事退院し現在も元気に過ごせています。

しかし、来院が遅れたり異物の種類によっては、消化管の閉塞による壊死や穿孔(穴が開いている状態)によって腸管を広範囲で切除したり、元気だった子がショックにより命を救えない状態に陥るケースもあります。
特に骨や串等の鋭利な物、長いヒモは危険度が高いですが、今回の症例の様に予想外な身の回りの物も飲み込んでしまいます。

ワンちゃんネコちゃんは興味のあるものは何でも口に入れようとします。普段使っているペットグッズが壊れていないか、植物やゴミ箱の中身が届かない様になっているか、人が食事をした後すぐに片付けているかなど、もう一度総点検をしましょう!

他に中毒物質を食べてしまっても危険です。(過去の症例紹介「タマネギ中毒」も参照してみて下さい!)

万が一、誤食をしてしまった可能性があったり、頻回の吐き戻し等いつもと違う様子があれば早めの来院をおすすめします。

また、ウチの子何でも食べるんです、、というワンちゃんは当院にてトレーナーさんによるしつけ相談会を月一回実施しておりますので、お気軽にご相談下さい!